塗料って何?その原材料について

外壁塗装や屋根塗装など、塗装においてなくてはならないのが「塗料」です。

塗料の役割や目的、構造について勉強してきたことをまとめてみたいと思います。

塗料とは何か、その目的は、

塗料とは?

流動性をもつ物質で、物体の表面に塗り広げていくもの。
薄い層(膜)をつくり、乾燥すると固化・固着していくことで連続膜となり、物体の表面を保護する。着色などのために用いられるものの総称。

塗装の目的…①建物の保護
      ②建物の外観をよくする
      ③建物に機能を与える

①建物の保護

何から建物を守るのか?

日光【紫外線や熱】
【水の侵入や酸性雨】
錆(サビ)【塩分(特に海岸地域)】
排気ガス【車や工場からの排気ガス】


塗装することにより、これらの原因の劣化から建物を守ることができます。
(1)物体の保護、防食、耐油・耐薬品、防湿など
(2)光沢の付与、美化、平滑化、標識など
(3)生物の付着防止、殺菌、伝導性調節、反射など
.

②建物の外観をよくする

色彩【色を付けることにより建物を美しく見せる】
模様【模様をつけることによりイメージが変わる
    同じ色でも模様により全く異なるイメージとなる】
光沢【艶(ツヤ)有、7分艶、半艶、3分艶、艶消】

③建物に機能(付加価値)を与える

・カビや藻の発生を抑える(防藻、防カビ性)
・汚れを付きにくくする(防汚性、低汚染性)
・湿度を調整する(調湿性)
・音を吸収する(吸音性)
・臭いやホルムアルデヒドを吸収、分解する

.


世の中の建物などの物体は、外的な影響によって、何らかの侵食作用を受けます。

何も手を入れられていない外壁、素材のみのままでは表面的な商品価値は低く見られます。

そこで外部からの影響を受けないようにきちんと保護するために塗料で塗装するのです。

塗料の中身

水 or 溶剤

塗料に流動性を与える為に、水か溶剤を希釈(使用)します。
 水 系 塗 料:水
 溶剤系塗料:強溶剤、弱溶剤
      (酢酸ブチル、ターペン等)

樹脂

塗料の主成分

 塗料の主成分の大部分を決めるのが「樹脂」になります。
.

顔料

白色顔料

白色顔料=酸化チタン

塗装する前の建物の色を隠すための成分のことを言います(隠ぺい性顔料ともいう)

体質顔料

体質顔料=炭酸カルシウム etc

体質顔料とは色のことではなく、塗料の増量や強度・補強など、塗料を加味・調整するためを目的としている白色の顔料のことです。

着色顔料

着色顔料=弁柄・カーボンブラック etc

塗料に様々な色を付ける顔料のことです。
 無機顔料 = 色はくすむが、耐候性はよい○
 有機顔料 = 色は鮮やかだが、耐候性はやや△

添加剤

添加剤とは、作業性や性能を向上させるためのもの

少量だけ添加して、性能を調整することを目的とします。

添加剤は以下に分かれます。

樹脂の種類と構造について

エマルションとは?

液体中に他の液体が微粒となって分散・浮遊しているものがエマルションと言います。

塗料でいえば、樹脂の粒子が水中に均一に分散している液です。
.

例:マヨネーズ・接着剤・医薬品や化粧品のクリーム等

NAD樹脂とは?

溶剤の中に分散している細かい粒子状の樹脂を「NAD樹脂」と言います。

NADとは『Non Aqueous Dispersion』
訳すると、非水分散樹脂と言います。

□特徴□
 ①垂れにくい塗料が出来る
 ②樹脂の分子量が大きいので、耐候性が良くなる
 ③粒状の樹脂なので光沢が出にくい欠点がある

建築用塗料・仕上塗材の樹脂の種類

塗装をあまり知らなくても、「ウレタン」や「シリコン」とか、
どこかで聞いたことあるかもしれません。

ここを知っておくと、塗装の職人さんと打ち合わせで役に立つかもしれませんね。

アクリル樹脂とは?

難しい言い方では、アクリル酸エステルなどのモノマーを共重合した樹脂の総称。
モノマーの組み合わせにより様々な機能を持たせることができます。

ウレタン樹脂とは?

水酸基とイソシアネート基が反応してできたウレタン結合(HNCOO)を持つ樹脂のこと。
強靭な塗膜をつくることができます。

シリコン樹脂とは?

シロキサン結合(Si-O)を持つ樹脂のこと。
紫外線劣化に強いので、高耐候性を実現できます。
シロキサン結合を多く含むと塗膜が硬くなるので、通常は有機物と複合した塗料としています。

フッ素樹脂とは?

フッ素結合(C-F)を持つ樹脂のこと。
この結合は非常に強力なため、高い耐候性を実現できます。

建築用仕上塗料の性能比較

外壁や屋根に塗装する仕上げようの塗料を、汚染・退色や、
ひび割れなどにどれだけ耐えうるのか、まとめてみました。

塗料とペンキはまったく違う

最後に、「塗料ってペンキでしょ?」
って想像する人が多いですが、ペンキと塗料はまったくの別物です。

外壁塗装に使うのは「塗料」です。「ペンキ」は使いません。

塗料とペンキの違いですが、

◎塗料とは
 顔料・樹脂・溶剤などを混ぜて作られたもの。
 外観を美しくするだけでなく、建物の保護や機能を保ちます。

ペンキとは
 オイルペイントや合成樹脂調合ペイントのこと。


ペンキに比べて塗料には、顔料・樹脂・溶剤などが含まれているため、強さが違います。

そして塗料は美観だけでなく保護や機能も持ち合わせるので、役割的にも違います。

基本、屋外の建物の塗装にペンキは登場しないと思ってもいいです。

まさか雨漏り?どこから?

どこから雨漏りしてるのか?
点検を自分でやってみたい人への
チェックシートを用意しました。

屋根・外壁など各チェック箇所や
どのような状況が雨漏りしやすいのか
参考になるかと思います。